歳を重ねるにつれ、自分の体と_向き合う_ことが多くなった、という声をよく聞きます。生活習慣病をはじめ、慢性疾患、寝込むほどではないけれど健康ともいえない"未病"の状態まで。病気や何らかの不調を抱えている人はかなりの数に上ります。
健康は何よりの"財産"。武蔵浦和メディカルセンター「オアシス」では東洋医学に基づいた鍼灸(しんきゅう)で、病気の根本を追究。今回は症例を交えながら、東洋医学の必要性を伺いました。
※症例に関してはご本人の了解を得ています
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| 病気を未然に防ぐ意識 |
東洋医学では病気が発症していない"予備群"のことを"未病"といいます。
いつ病気になってもおかしくない状況があることから病気を未然に防ぐ健康意識を高めるという意味合いも含まれています。
同院は、東洋医学に基づいた鍼灸治療や食事指導、医師、薬剤師と連携して漢方治療も取り入れ、この_未病_に取り組むとともに、体の根本治療を目指しています。
今回症例として登場していただくのは、(財)厚生年金事業振興団常務理事をはじめ、数々の医療分野等で活躍中の松田朗さん。
昨年12月、小脳梗塞(こうそく)で倒れ、それに伴う後遺症もありましたが、現在画期的な回復が見られます。
施術担当は吉野和宏鍼灸師です。(以下、敬称略) |
―発症されたときの状況は。
松田
起床時にいきなり崩れるように倒れ、東京厚生年金病院に緊急入院しました。
病名は「小脳梗塞」。
退院後も左半身麻痺(まひ)、めまい、耳鳴り、頭痛、軽い言語障害も残り、顔面麻痺による開口障害で手指1本も口に差し込めない、鼻も変形していました。流動食もなかなか思うように進まない状態でした。 |
―以前から何らかの自覚症状はありましたか。
松田
血圧は高めでしたが、仕事に影響するほどではありませんでした。
ただ、今から思えば、かなり過密スケジュールで仕事をこなしていましたので、ストレス、過労も重なり、気付かないうちに病気は進行していたのかもしれません。 |
―ご自身の体の変化は精神面にもかなり影響されたと思いますが。
松田
公務が直面していましたので痛手でしたし、なんとしても復帰しなければ、という使命感もありましたね。
良いと思うものはすべて試しましたが効果は望めませんでした。
治したい一心で今年1月、同院での治療をお願いしました。 |
―実際診察時の状況は。
吉野
小脳梗塞など中枢性神経疾患の場合は、なかなか治りづらい病気です。
今年1月に来院されましたが、小脳梗塞は、平衡感覚も損なわれ、体のバランスが崩れることがよくあります。
松田さんの場合は半身麻痺、顔面神経麻痺、言語障害、開口障害、咀嚼(そしゃく)した食べ物を咽頭(いんとう)へ送り、食道へ送り込むことができない嚥下(えんげ)障害、熱冷の感覚が麻痺する温覚障害など。
顔面では上目が下がり、鼻、口も多少変形しておられました。 |
―経過の様子は。
吉野
とりあえず3カ月間様子を見るつもりで、週2回ペースで施術。
岩盤ベッドで深部体温を上昇させたあとに、マッサージを施し、鍼灸で施術。
始めて1カ月経過したころから、麻痺している手足の状態も少しずつ改善。
10カ月目を迎える現在は、温覚障害、左腕の痛覚はほとんどなくなり、嚥下障害も治癒。
右顔面神経麻痺もかなり改善されてきました。
松田
治療を始めて3カ月くらいから目覚ましく良くなってきました。
そのころから開口障害も指2本分開くようになり、食事も普通にできます。
歩行もほとんど通常の状態に戻りつつあります。この喜びは大きいですね。
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| 原因を追究して治療 |
―これからも治療は続けられると思いますが、東洋医学に基づいた治療をどのように受け止めていますか。
松田
発症前は鍼灸もマッサージも未経験でしたが、予想以上の結果に感謝しています。
もちろんすべての人に当てはまるわけではありませんが、今後は病気の根本原因を追究して治療に当たる東洋医学と急性疾患に優れた力を発揮する西洋医学を上手に融合させて、効果を高めていくことが必要になるのではと思います。
加齢による機能低下は避けられませんが、厚生労働省が策定した「アクティブ80」(別項@)と、さらに「健康日本21」(別項A)は、ともに未病の考えであり、東洋医学はその未病に対して深い歴史があります。病気の治療から病気予防の時代に突入し、私自身のことも含めて、一人ひとりが健康づくりを自助努力で考える時代では、とも思います。
吉野
松田さんの場合は重病でしたが、現代人の多くは"良くない"生活習慣や過度のストレスなどで「病気になりやすい体」であるといわれています。 |
―病気の起こる根本原因はどこにあるのでしょう
吉野
自律神経、白血球、体温の異常が基本になっています。
自律神経とは、主に活動時に緊張・興奮しているときに働く交感神経と主に夜間などリラックスしているときに働く副交感神経のことを示します。
これがアンバランスになると免疫力が低下して、血流障害や低体温を招き、病気を誘発する原因になります。 |
―オアシスではどのような対応をされるのですか。
吉野
多くの人が陥っている低体温状態を温熱治療により改善。
さらに東洋医学的施術により血行改善し、自律神経のバランスを取りながら、病気予防、健康増進、健康維持を図ります。
日ごろから自分の体の状態を把握して、免疫力を高めておくことが健康維持につながります。
当館内には岩盤浴をはじめ、ゲルマ温浴、さらに高圧酸素カプセルなど最新鋭の機器をそろえ、"心身ともに癒やされる"空間となっています。
松田
健康管理は自己責任のようです。
今般自分自身で小脳梗塞を経験し、私どもで経営する東京厚生年金病院に入院し、西洋医学での治療を受けました。
しかし、後遺症の治療で、西洋医学では賄えない部分として東洋医学での治療も受けてみました。
今回通院治療に通った「オアシス」では東洋医学に免疫学の最新の考え方を導入し、心身をリラックスさせる最新鋭の機器が配されています。
まさに私が厚生労働省の現役時代に策定した健康維持増進プラン「アクティブ80」「健康日本21」を力強く支援するものです。このオアシスがあって私は仕事を続けられたと確信し、心から感謝しております。 |
※@アクティヴ80…1988年から厚生労働省が展開している国民健康づくり対策で、「80歳になっても身の回りのことができ、社会参加も目指そう」というもの。
※A健康日本21…21世紀における国民健康づくり運動として厚生労働省が2000年に策定。適切な運動習慣を普及させ、栄養、運動、休養のバランスを図った上で生活習慣を見直そうというもの。
@、Aともに東洋医学の"未病"に基づいています。 |
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| 婦人科疾患に東洋医学を取り入れて |
冷え性に悩む女性は多いようですが、この冷えがさまざまな病気を誘発。
女性は特に排卵障害、経痛などの一因になる場合が多く見られます。
当院では中国で17年間上級中医師として、婦人科疾患の治療にあたり、臨床経験も豊かな、路蘭静中医師が婦人科疾患を担当。
中でも不妊症で悩む女性の治療が注目されています。
最近は女性の社会進出に伴い、高齢出産も多くなりました。
さまざまなストレスからホルモン分泌が悪くなったり、また冷えから卵巣周辺の血管が収縮して血行障害に。やはり過度の冷房やミニスカート、素足などに冷たい食べ物で体を冷やしている人が実に多いです。
30代ですでにのぼせや汗が出たりと更年期の症状が見られるケースも少なくありません。
東洋医学は月経不順や月経痛、更年期障害、冷え性、子宮筋腫や卵巣嚢腫(のうしゅ)といった諸症状を得意とする分野です。
婦人科を担当してから半年あまりで不妊症で悩む女性が20人ほど来院。そのうち3人が妊娠の判定がでています。
子どもが欲しくても恵まれない方、不妊治療を受けていてもまだ妊娠されない方も多くいらっしゃいます。
東洋医学は「気・血・津液」のほか五臓六腑の状態をチェックして、身体状況を判断。
それらを基に漢方薬や鍼灸治療を行い、体に負担をかけずに体質改善を目指しています。 |